雄勝ローズファクトリーガーデン

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10月18日宮澤賢治の朗読/いのこ福代さん・石田音人さんのコンサート

2014年10月21 カテゴリ:日記

10月18日に胡弓奏者の石田音人君といのこ福代さんの朗読によるミニコンサートを行いました。石田音人君は私(徳水博志)の京都時代からの友人です。震災後に東北の被災地慰問を継続していて、雄勝町では3回目の演奏会となりました。今回は石田君の胡弓と三味線の演奏といのこさんの朗読がありました。宮澤賢治【注文の多い料理店】【雨にもマケズ】、立松和平【海のいのち】です。【海のいのち】は私のたってのお願いで、いのこさんが読んでくださった作品ですが、いのこさんの抜群の語りでその作品世界が私たち被災者の心に伝わってきました。石田君、いのこさん!また来園してください。よろしくお願いします。

【いのこさんの朗読を聞いて】三陸に生きる私たち被災者は海とともに生きてきた住民です。【海のいのち】に描かれれていように、海から一切の恵みを受けて、「千匹に一匹」の教えを守り、先祖から命を受け継いできました。【海のいのち】で描かれたお父の命も太一の命も、一切の命が海とつながっています。海は命の源であり、太一が出会った巨大なクエは海の命の象徴です。親のかたきを探し求めていた太一がクエに出会ってその穏やかな目を見たときに、太一は巨大なクエの命とお父の命はともに海で生かされた命であり、一つにつながっていることを直感的に悟ったのでした。だからこそ巨大なクエに「お父ここにおられたのですか」と呼びかけて、命を奪うことをしなかった、いや奪えなかったのです。そして、自然の偉大な命を奪おうと挑んだ太一はおのれの思い上がりを恥じて、一生誰にも語ることはしなかったのです。この作品から今の私たちは何を学ぶことができるでしょうか。自然の力を人間が造った構造物で制御しようとする雄勝湾の巨大な防潮堤建設は果たして正しい判断でしょうか。人間は自然の一部であり自然に生かされた存在であるという事実を忘れた、傲慢な考え方ではないでしょうか。立松和平の【海のいのち】は3.11後の私たちに多くのこと教えてくれているような気がします。

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